Vol.401 2024.4.9

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Column

クレモナを歩く その1

15年程前のことだろうか、大好きな町クレモナについて触れたことがある。いや、それ以前も幾度となくこの町については紹介してきた。イタリアの伝統を育んできた独特の触れずとも感じられる風合いがある。

当時、この町を訪ねるきっかけとなったのはとある雑誌より取材依頼を受けてのこと。わたしがイタリアに住みはじめて5年くらい。ミラノに居ながら出不精であり、どこへでも出掛けて行くほど瞬発力がなかったこともあり足踏みの生活をしていたが、友人から「もう僕は乗らないから」とポンコツのフィアット(Panda)を譲り受けたことで行動範囲が広がった。

さて、取材は他でもない弦楽器の制作者をクレモナに訪ねてということ。
ヴァイオリンの発祥については諸説ありながら、この町か、はたまた近郊のブレーシャとも言われているが、イタリアにやってくる前からストラディヴァリというワードは聞き覚えがあった。しかしながら実際それが何を意味するのか明確ではなく、おそらく楽器だろう、という程度のもの。そこから始まることになる。

ミラノからは90分ほど、高速道路を低速で這うポンコツでも辿り着ける。エミリア街道をピアチェンツァまで上り、ジャンクションで北方のブレーシャ方面に向かってクレモナはその先3つ目の出口で下りる。旧市街地まで進んでいくわけであるが、そのうち大きな鉄橋を越えて、その橋の下部にあるのがイタリア半島を両断しながら流れるポー川である。イタリア最大の河川である。

町に近づき空にトッラッツォが見えてきたらそこがもうクレモナである。100mは優に超える鐘楼こそがトッラッツォであり、町の中心に根を張る大聖堂(ドゥオーモ)に寄り添うように建っている。

有名ではあるけれどけっして大きな町ではない。中世よりポー川を交易の水路として使うことで木工などモノづくりの急増を経てこの町は栄え、16世紀になると弦楽器が湧いたように現れて、それがある時期まで伝承されることになる。

アンドレア・アマティにはじまる250年の伝承、有能な後続たちが引き継ぐことになる。アンドレアの孫、ニコラ、ニコラの弟子、ストラディヴァリ、そしてグァルネリと湿度が高く楽器をつくるにはまったく相応しくないはずであろうに、長く世界の追随を許さない制作の町として栄えたのである。アンドレアが考えたものとされるヴァイオリン本体の形状は今日までほとんど変わらない。どの楽器も進化続けて演奏家の使い安い状態まで改良されてきた。しかし、ヴァイオリンは誕生時すでに完成品として受け入れられ進化することのなかった稀少な楽器なのである。

北イタリアで一番高い鐘楼“トッラッツォ”

堂満尚樹(音楽ライター)
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【ご予約受付中】
グラインドボーン音楽祭&ロンドン珠玉のオペラ紀行
8日間

旅行日程:6月6日(木)~6月13日(木)
英国ロイヤルオベラでカウフマン&ラドヴアノフスキー《アンドレア・シェニエ》、
グラインドボーン音楽祭で新制作の《カルメン》、《メリーウィドウ》鑑賞!

*旅行代金には、下記3公演のチケット代が含まれます。

■ジョルダーノ《アンドレア・シェニエ》
【3日目】6月8日(土)19:30開演 英国ロイヤル・オペラハウス
指揮:A.パッパーノ
演出:D.マクヴィカー
出演予定:J.カウフマン、S.ラドヴァノフスキー、A.イサエフほか

■ビゼー《カルメン》 ̶ 新制作 ̶
【5日目】6月10日(月)17:00開演 グラインドボーン音楽祭
指揮:R.ティチアーティ
演出:D.パウルス
演奏:ロンドン・フィルハーモニー
出演予定:R.シャイエブ、D.ポポフ、S.フォミナ、D.チェブリコフほか

■レハール《メリー・ウィドウ》 ̶ 新制作 ̶
【6日目】6月11日(火)17:00開演 グラインドボーン音楽祭
指揮:J.ウィルソン
演出:C.マクリスタル
演奏:ロンドン・フィルハーモニー
出演予定:D.ドゥ・ニース、G.オルベラ、T.アレン、S.マフィほか

別途手配鑑賞公演のご案内
旅行代金に含まれる上記3公演の他、さらに鑑賞ご希望の方には下記公演のチケット手配を承ります。(別料金)

◆プッチーニ《トスカ》
【2日目】6月7日(金)19:30開演 ホランドパーク・オペラ
指揮:M.K.ウォルドレン
演出:S.バーロウ
出演:A.エシャラズ、M.ピアース、J.デ・エサ、E.ケイほか
●ロンドン市内ケンジントンにあるホランドパークで開催される夏のオペラ。会場は公園内の17世紀に建てられた貴族の館のテラスに舞台が設営されます。(テント付きの半野外です)

◆バレエ《THE DREAM/SHORT WORKS/RHAPSODY》
【2日目】6月7日(金)19:30開演 英国ロイヤル・オペラハウス
振付:F.アシュトン
※出演者は未発表

【ご予約受付中】
ミュンヘン・オペラフェスティバル&夏のバイロイト
音楽の旅9日間

旅行日程:7月29日(月)~8月6日(火)
カウフマン、ダムラウら、スター歌手が集結するミュンヘン・オペラフェスティバルと、バイロイト音楽祭で新制作《トリスタンとイゾルデ》や《タンホイザー》を鑑賞!

*旅行代金には、下記2公演のチケット代が含まれます。

■プッチーニ《トスカ》
【2日目】7月30日(火)19:00開演 ミュンヘン・オペラフェスティバル~バイエルン国立歌劇場~
指揮:A.バッティストーニ
演出:K.ムンドルッツォ
出演予定:J.カウフマン、E.ブラット、L.テジエほか

■J.シュトラウス《こうもり》
【3日目】7月31日(水)18:00開演 ミュンヘン・オペラフェスティバル~バイエルン国立歌劇場~
指揮:C.トリンクス
演出:B.コスキー
出演予定:D.ダムラウ、S.パニクカール、G.ニグル、K.コンンラーディほか

*旅行代金には、下記3公演のチケット代が含まれます。

別途手配鑑賞公演のご案内
旅行代金に含まれる上記2公演の他、さらに、鑑賞ご希望の方には、下記公演のチケット手配を承ります。(別料金)

◆ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》-新制作-
【6日目】8月3日(土)16:00開演 バイロイト音楽祭~祝祭劇場~
指揮:S.ビシュコフ
演出:T.オーン・アルナルソン
出演予定:A.シャーガー、C.ニールンド、E.グヴァノヴァ、G.グロイスベックほか

◆ワーグナー《タンホイザー》
【7日目】8月4日(日)16:00開演 バイロイト音楽祭~祝祭劇場~
指揮:N.シュトゥッツマン
演出:T.クライツァー
出演予定:K.F.フォークト、E.タイゲ、I.ロバーツ、M.アイヒェほか

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